おいしいはあったかい! 食材で作る入浴剤
お風呂が恋しい季節になりました。風呂好きにとっては愉しい季節の到来です。寒さで縮こまっていた体が温かいお湯でじんわりほどけていくあの感じ、たまりませんよね。深まる寒さに比例して、冷え性にお悩みの方も増えているようです。そんな冷え性さんにおすすめなのが、よりいっそう保温効果を高めてくれる入浴剤です。しかも今回ご紹介するのはキッチンにあるモノで簡単に手作りできる入浴剤!中には「えッ、こんなモノが!?」と思われるおもしろ入浴剤も。ダマされたと思ってぜひ一度お試しを。ポッカポカになること請け合いです。
季節のお風呂としておなじみのゆず湯。手作り入浴剤としては日本中で一番ポピュラーなのではないでしょうか。今さらと思われるかもしれませんが、その効果については意外とご存知ない方もいらっしゃると思うので、ここはひとつ改めて「効果」と「作り方」をご紹介したいと思います。
まずは右上のグラフをご覧ください。これは何も入れない「さら湯」と「ゆず湯」。それぞれに浸かった場合の“ノルアドレナリン濃度の変化”を比較したものです。“ノルアドレナリン”とは、聞き慣れない単語ですが、これは血液中の成分のひとつで、拡張した血管を収縮させるために働きます。つまり、ノルアドレナリンが多く分泌されているということは、その時点で血管が拡張し血液の循環がよくなっているということ。さら湯に比べてゆず湯が血行をよくしていることがわかります。
ボウルにゆずを入れ、約2リットルの熱湯を注ぎます。20分ほど蒸らした後、冷めたゆずを布袋に入れて絞ります。絞り汁と実をそのまま浴槽へ。より手軽に楽しみたい方は、ゆずの果実を輪切りにしてそのまま浴槽に浮かべてもOK。
冬といえばこたつでみかん。おいしくいただいた後は皮を天日に当てて入浴剤にしちゃいましょう。果実は風邪の予防に、皮は血行促進に。まさに一石二鳥。漢方薬しても使われるみかんの皮。捨てちゃうなんてもったいない!
昔からみかん湯は「風邪をひかない」と言われています。その秘密はリモネンの血行促進作用にあります。さら湯とみかん湯の保温効果を比較したグラフを見ると、その効果は一目瞭然です。
みかんの皮を陰干しします。およそ20個分の皮をガーゼか木綿の袋に入れて浴槽へ。
「こんぶ湯って…だし汁じゃないんだから…」と思った方もいらっしゃるかも。でも、もっと広い意味で“海藻”と考えれば、タラソテラピーという言葉が浮かんできませんか?
実際にこんぶ湯に入ってみると、こんぶと言うよりも海藻といった方がピンとくる香り。お湯も明らかになめらか!保温効果のほか保湿効果もあるので、乾燥の季節にはうれしい入浴剤です。手軽にできるのでぜひお試しを。
乾燥昆布を5cm角ほどに切ります。(硬い場合は、ぬれ布きんで拭いて柔らかくすると切りやすくなります)ひとつかみ分をさらし布などで包み、ほどけないように縛ります。鍋に布袋を入れて水から煮出し、沸騰させたら煮汁と布袋を浴槽に入れます。
体を温めると人気のしょうが。食べるのはもちろん、お風呂に入れるのもまた良しです。しょうがの辛味成分には防腐・抗菌作用と抗酸化作用のほか、血行促進作用もあると言われています。ただし、しょうがは刺激が強いので、皮膚が弱い方や乳幼児がいるご家庭では避ける、もしくは分量を加減するようにしてください。
上のグラフは、足をお湯につけて温めた後、今度は冷水で冷やし、その後の皮膚の温度変化を測定したものです。さら湯と比較してしょうが湯の方が皮膚温の回復が早いのがわかります。しょうが湯は体を芯から暖めてくれるので、冷水で冷やした足も素早く回復するというわけ。体の芯からしっかり温まりたいときはしょうが湯がおすすめです。
しょうがひと握り分をすりおろし、絞り汁を浴槽に入れてよくかき混ぜます。薄くスライスした生姜を布袋に入れ、揉みながら入浴すると芳香効果が増します。
はちみつは主成分の糖分のほか、ビタミン、鉄分、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。まさに栄養の宝庫!薬効が高いことで知られ、昔からさまざまな治療に用いられてきました。また肌を整える効果もあり、あのクレオパトラも美容にはちみつを用いていたと言われています。そんなはちみつの恵みを全身に受けるのがはちみつ湯です!
はちみつを入れると浴槽がベタつくのでは…?と、おそるおそる試してみましたが、実際にはベタつき感は一切無し!ほんのりと香る甘い香りが気持ちを和らげてくれます。入浴後は肌がしっとりして、ポカポカ感が持続。お肌のキメを整えてくれる効果は、マイクロスコープ画像からも明らかです。
お好みのはちみつ、およそ100ミリリットルを浴槽に入れ、よくかき混ぜて入浴します。粘土の高いはちみつは溶けにくいので、浴槽の底にたまらないようご注意を。入浴後は浴用洗剤を使ってよく洗い流してください。
はとむぎはヨクイニンの名で漢方としても用いられています。多くのたんぱく質、脂質、ミネラルのほか、細胞の働きを活発にするといわれているコイクセノリドなども含んでいます。足浴による実験では、さら湯と比較してはとむぎ湯の方が浴後の肌水分の蒸発が少なく、肌荒れ改善に効果があることがわかりました。
はとむぎは自然食品店などで購入することができます。漢方薬局で売られているヨクイニンを用いてもOK。煮だすと白く濁るので、白濁タイプの入浴剤がお好きな方はぜひお試しを!香りはほとんどなく、湯触りがとてもやわらかくなります。はとむぎには子宮収縮作用があるので、妊娠中の方はご使用をお控えください。
はとむぎおよそ100gを布袋に入れ、鍋で水から5分ほど煮だします。煮汁ごと浴槽へ入れ、よくかき混ぜてから入浴します。
日本酒をお風呂に入れるという話はときどき耳にします。ドラッグストアには日本酒の名を冠したスキンケアグッズが数多くあり、その美肌効果は広く知られているところ。実際、さら湯と日本酒湯を比較した足浴実験では、「肌の明るさアップ」という結果が出ています。
日本酒湯は肌を明るくしてくれるだけでなく、肌の水分量を増加してくれたり、血行をよくしてくれたり、女性にうれしい効果がいっぱいです。呑み残してしまった日本酒はぜひ足湯用に。お風呂に入ってから寝るまでに間があいてしまったとき、手足に冷えを感じたらぜひ足湯をしてみてください。全身が温まって寝入りがスムーズになりますよ。
ふくらはぎあたりまでつかる容器を用意し、お湯とお好みの日本酒およそ100ミリリットルを入れてよく混ぜます。足湯をしている間に湯温が下がってくるので、手元にたし湯を用意しておくとよいでしょう。
※アルコールに弱い方は湯気を吸い込まないようご注意ください。
※半身浴で利用する場合は、入れ過ぎにご注意ください。
出典/東京ガス都市生活研究所「季節のお風呂十二ヶ月」「キレイをつくる10の季節風呂」













