日本のお風呂をもっと楽しもう『湯の国』
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湯煙コラム

Vol. 59 みんしる

韓国のお風呂“チムジルバン”は魅力たっぷり!

みんしる(みんしる)

神奈川県藤沢市出身。
日本語、英語、韓国語を操る独特のスタイルで、ラジオDJ・ナレーター・司会者として人気を博す。
韓流スターやK-POPアーティストをはじめ、多くのライブやファンクラブイベント、映画のプレミア試写会や舞台挨拶などのMC兼通訳などとしても活躍中。
映画好きで、新旧洋邦問わず年間100本以上鑑賞。
現在、TOKYO-FM「event 80 navi」、J-WAVE Podcast「みんシネマラウンジ」、NHK教育「大!天才てれびくん」、フジテレビTWO&NEXT「韓タメ!POP」でDJ、ナレーションを担当。

みんしる's Diary〜Official BLOG〜
 
私は日本生まれの韓国人。ラジオやナレーション、司会をメインにしてきたが、最近は韓国スターとの仕事がグッと増えた。本国でも日本人向けのファンイベントも多く催されるので、ここ数年の間はプライベートではなく、仕事で韓国に行くことが多い。
韓国のお風呂といえばチムジルバン。様々なタイプのサウナやお風呂があり、専用のウェアを着て男女一緒に楽しむ。広々としたくつろぎスペースでゴロンと横になったり、冷たいシッケ(お米から作られたさっぱりした甘い飲み物)とゆで卵を食しながらお喋りを楽しんだり。仮眠室やPCルーム、食堂まで兼ね備えられていて24時間営業だから、一日中楽しめてしまう。
ところでこのチムジルバン、実はNYで体験したことがある。

今から4年程前、7年半続いた週一のラジオ番組が終了した後、私は母を連れて10日間NYに滞在した。母との旅行は決まって珍道中になる。元々アクティブで好奇心旺盛なので出掛けることには問題ないのだが、ことあるごとに韓国料理が食べたいと言い出し、困るときがある。

今回の旅行は滞在日数を考慮してホテル代を節約。SOHOにあるアパートメントに滞在したのだが、ベッドは窮屈でシャワーの出も悪く、週末になると近くのバーは夜が空けるまで大騒ぎ。これには母も耐えられず、いつもより数倍のペースで機嫌が悪くなって行った。

私はいくつか考えていたプランの中でとっておきのものを準備した。なんとNYにチムジルバンがあるという情報をゲットしたのだ。場所はマンハッタンから橋を渡ったクイーンズ地区。地下鉄7番線のFlushing駅から送迎バスが出ているという。HPの写真を見る限り、本場韓国のチムジルバンより豪華で広々、食事もマッサージも完備。小雨降る肌寒い日ではあるけれど、行けばきっと極楽なはず。私は母を説得して未だ見ぬ地へと向かった。

最寄り駅に行くまではスムーズだった、しかし…。改札を出て地上に出てみると、HPなどに書かれていた送迎バスの発着所が全く見当たらない。情報では韓国人が多く住む地域だったはずなのに、私の目に入ってくるのは中国語ばかり。後で知ったのだが、どうも出口は韓国人街方面と中国人街方面の2つがあったようだ。

少しずつ強くなる雨の中、私は辺りをかけずり回り、ようやく発着所近くの目印となる韓国人経営のベーカリーにたどり着いた。しかし、若い店員に聞いてみると、そんな場所は知らないと言う。母の曇り顔を横目に、一か八か店の外にいたおばさんに聞いてみることにした、韓国語で。すると、店の前の駐車場に送迎バスが止まるという。でも、バスは小さくて目印もないからずっと見張っていた方が良いとのこと。コーヒーを飲みながら、獲物を狙う猟師の如くバスの到着を待つ。すると、なんとなく怪しいバスがさっきから止まっているではないか。母と2人で猛ダッシュ。危うく乗り遅れるところだった。
住宅地を抜け15分程行ったところに突如として現れた巨大スパの名はインスパワールド(現SPA CASTLE)。かなり大きい建物だが、中に入ってみると紛れもないチムジルバン。館内にはK-POPが流れ、マッサージルームでは最新韓流ドラマ。もちろん韓国料理もあって、ここはどこ?という感じ。しかし、窓の外にはマンハッタンの姿があり、ある意味不思議な空間だった。

母と私は美味しい韓国料理でお腹を満たした後、サウナとお風呂を何度も繰り返し、挙げ句の果てには爆睡までし、結局、夜までそこで過ごした。

心も体も癒してくれたこのチムジルバン珍道中が、NY旅一番の思い出になったのは言うまでもない。

文/みんしる

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