日本のお風呂をもっと楽しもう『湯の国』
お風呂をもっと快適に、お風呂をもっと楽しむために
湯煙コラム

Vol. 15 YOU

「パッシャーン」のお風呂ライフ

YOU(ゆう)

タレント。
88年、FAIRCHILDを結成し、94年よりソロ活動に入る。音楽活動のほか、TV・ラジオ出演や舞台、執筆活動など幅広い活躍を見せる。
 
冬はタイルが冷たくて、湯舟までの2・3歩がとても遠かった。うちの実家は脱衣所も寒くて、今日びのお風呂というのとは全く違っていました。

小学3年のある日、お風呂でおじいちゃんの幽霊をみました。
あくる日に市内めぐりをひかえた私は、いささか気が立っていて、めずらしく夜中に喉が渇いてキッチンへ。キッチンの奥にあるお風呂から、
「パッシャーン、パッシャーン」
って湯を流す音がして。夜中だったので、おそるおそる風呂のドアを開けると、おじいちゃんが背中を流しているんです。当時祖父は八王子に住んでいたので、
「おじーちゃん来てたんだ」
と言うと、
「ああ、そうなんだよ」
と、言いながら、背にお湯を浴びていて。
「おやすみ」
と言うと、
「おやすみ」
と。市内めぐりに出かけようとした朝、電話で祖父の死をきかされました。
「そういえば、きのうおじーちゃんお風呂に入っていたよ!」
と言う私に、父が、
「じゃあ、ここにもあいさつに来たんだね」
と。不思議な体験でした。 vol15_illust.gif 冬には冷たいタイルを踏んで湯舟につかるのが、あんなに寒かったのに、いつのまにか好きになっていて・・・。今のうちは、セントラルヒーティングで脱衣所もあたたかくてつまらないのですが、おととしまで住んでいた古い日本家屋では、それが快感で。家族みんなに反対されても、脱衣所にヒーターをつけませんでした。なんだかお湯のありがたさが半減するようで。
高校から、一人住まいをするあたりまでは、お風呂は私だけのとても大切な時間になってました。色々と持ち込んで。学生の時は、変な話、おせんべと牛乳を持ち込んで、湯舟で食すのが大好きで。好きな人の事とか考えて。一人で住んでからは、もっぱら読書ですね。あらゆる本を一時間位は平気で。パックもしたし、マッサージも。お風呂の中に、すごい荷物で。ろうそくをつけて入ったりしてましたし。
今は息子とのコミュニケーションの場でもあるし、リビングより重要です。建てませんけど、家を建てたら、こだわりたいのはお風呂と玄関だけですね。あとは、あったらどうでもいいくらい。できれば空がたくさん見えたらいいし、湯舟以外は寒い方がいい。毛穴がぶわ〜って広がる感じが、私にとってのお風呂なんです。なんだか、どこでもいつでも快適なのが苦手なんです。気持ちが平らになるみたいで。お風呂ライフはうるさい方ですね、きっと。ヨーロッパのシャワーとか心からむかつきます。

やはり、
「パッシャーン」
って音が聞こえないと、一日が終わらない。どんなに酔ってても、一日の最後は必ずお風呂なんです。

文/YOU
イラスト/花岡道子

誰も知らない

価格:3,180円(税込、送料別)

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